久しぶりに会った部活の後輩。また僕は育てられない。

先日久しぶりに部活の後輩のテニスのプレーを見る機会がありました。2年くらい前、初心者だけどいいものを持っているなと思って、少し目をかけてアドバイスとかしていたりした子なんです。 それで、久しぶりに見たら、ものすごく悪くなっていて(笑)。いや、全然笑えないんですけど、フォームは悪いところばっかり目立つし、プレーでは長所が全く出せていない。今期の成績も全然よくなかったようですが、このプレーじゃ確かに勝てないだろうなというものでした。 過去を振り返ってみても、僕が目をかけた子達って、大体は中途半端にしか伸びず、努力の割に成果が出ず終わっていく子がすごく多いんですよね。またこいつもかって雰囲気になっててちょっと寂しくなりました。昔は厳しくて鬼コーチだったから褒める志向に変換したのです、どっちもダメでした(笑)

実は予想の範囲内でもある

ただ、少し嫌な言い方をすると、こうなることは予想はできていたことでもあります。なぜなら僕が目をかけるということは、放置していたら伸びないだろうな、成長の方針とかコーチングをできる人がいないと伸びないだろうなという人だからです。逆に自分自身でも伸びるだろうなという人は、余計な圧迫なんかせず、練習相手にだけなっておけばよいと考えているので、期待はしてもあまり関与はしません。

マネジメントはあまり信頼していない

これはあくまで僕個人の経験に基づく考えですが、個を伸ばすのにマネジメントとか指導というのはあまり必要ないと思っています。伸びる人間は伸びるべくして伸びるし、伸びない人間は伸びない。マネジメントや指導というのは、個に対するものではなく、全体に対するもの、学校教育的な機能だと考えています。 学校教育的な機能とはどういうことかというと、全体として平均値を保つ機能です。一定の仕組みに従って、一定の水準に達する人を多く作り上げる機能です。この機能の優れているところは、仕組みとして持っている水準は計算できるところにあります。圧倒的な人材はいなくても組織力や全体力でカバーしようという機能です。 逆にいうとこの機能は優れた人材を生み出すことはできないことと、狙った人材を育てることができないと考えています。誰が育つかはわからないけれど、確率的に一定数は育つだろうという面があります。

だからマネジメントや指導は組織としては優れた機能だと思いますが、個人競技や、育つ側の一人称からするとありがたい機能ではないと思っています。また、人数に余裕がある組織でしか達成することができないし、同時に組織の持っているマネジメント力以上の成果が生まれることはありません。 絶対的に優れた仕組みはないし正解も不正解もないので、マネジメントや指導をを批判するのではありませんが、僕自身が比較的変わっている人間だと思うことと、個人競技の道を歩んできたこともあって、好みの問題としてあまり好きではありません。人それぞれ必ず向いているものや得意なものがあるはずです。なのにとある基準とだけ比較されて優劣をつけて、得意な分野で活躍する可能性まで奪ってしまうのはもったいないと思うのです。本人がそれを望んでいるのならまだしも、評価側が勝手に押し付けて決めつけてしまうのは違うような気がしています。

例えば僕自身、大学のテニス部では、始めのうちはずっとダブルスをやっていましたが、一定の水準までしか勝てず、それ以上はまるで勝てるイメージが持てませんでした。それが3年の団体戦の直前、ペアの兼ね合いもあって、シングルに転向したら、勝てました。もともと個人戦でシングルの方が勝てていたので、向いているかもしれないという当てはあったのですが、自分自身で思っている以上に勝つことができました。 部活の先輩はテニスではあまり戦績を残せませんでしたが、社会人になってからマラソンを始め、最近出た大会で10キロを37分くらいで走れたそうです。早すぎて驚きます。下手したらちょっと遅い人が5キロ走るのにかかる時間と同じくらいじゃないですか。向いてるとかそういうレベルじゃなくて驚きます。 わかりやすい例としてスポーツばかりあげましたが、仕事でも同じだと思います。

転職した理由でもあるマネジメント

これは僕が転職する理由の1つでもありました。一般的な規模の大きい企業にいると、キャリアプランというか、出世の道が、管理職以外ないんですよね。どういう経歴でスタートしてしたとしても、最後は必ず管理職なんですよ。自分で実務はほとんどしなくて、役員とかから命令を受けて、それを部下に命令をしてやらせる職。自分自身の仕事は部下の管理に集約されます。だけど先述の通り、僕はマネジメントはほとんど組織の仕組みの影響だと思っているし、一人一人が伸びるかどうかは本人の資質にかかっていると思っています。だからマネジメントだけの専門家は自分はやりたくないと思っていました。マネジメントとかリーダーシップは全く否定しないのですが、その専門家というのはないという考えです。自分もプレイヤーとしてやりつつ、背中で示せるような人間になりたいと思っていました。だからマネジメントの専門職以外、会社の中で価値がないというのはちょっと寂しいなと思っていました。

まとめ

そんなわけで、人を伸ばすのには、叱るかとか褒めるかとかそんなの関係ないし、伸びないからダメだなんてことはないので、得意なところで頑張るのが良いとおもいます、というお話でした。